母性看護学で対象となるのは女性のライフサイクル全般ですが、身体的・精神的変化が著しい思春期から更年期までを中心に学修します。思春期は学生たちが通ってきた道であり、更年期はほとんどの女性が体験するとともに学生の母親世代にあたる時期でもあります。また実習では、出産という女性の大きなイベントを中心に周産期の妊・産・褥婦と新生児を中心に看護を展開していきます。加えて、病院だけではなく地域の助産所での訪問看護や妊婦健診、母乳外来などのケアも見学します。このように母性看護学では、女性の生き方、育児を通した親と子ども・家族への支援などを学びます。これらの学びは、学生自身の将来にも役立つことでしょう。
科目①:母性看護学概論【1年次秋学期】
母性のライフサイクルを通して発展していく母性準備期(思春期)、母性成熟期(成熟期)、母性継承期(更年期)にわたる健康課題及び性と生殖に関する健康について学びます。加えて、変化する社会における女性の生き方の変化、母性看護の今日的問題である少子化や子育て支援の現状、母子と家族が抱える健康や生活上の課題を明らかにし、母子と家族を取り巻く保健・医療・福祉における母性看護の役割とあり方について共に考え学びます。
科目②:母性看護学演習【3年次春学期】
まず、母性看護学方法論で周産期を中心とした妊娠期・分娩期・産褥期にある女性と新生児およびその家族への看護を知識として学習します。続く、母性看護学演習では事例を用い、妊婦・産婦・褥婦・新生児の健康状態、家族の状況のアセスメントを行います。さらに、妊娠期には妊婦健診、産褥期には復古の促進・正常からの逸脱予防・母乳育児の促進など、新生児については観察と沐浴といった演習を通して、看護の展開や母性看護に固有な技術を習得します。
教員紹介
坂梨 薫 教授
担当科目 |
【学部】
- ・母性看護学概論、母性看護学援助論、母性看護学演習、母性看護学実習、統合看護実習、卒業研究、家族看護学Ⅰ、看護の統合と実践Ⅰ
【研究科】
- ・看護政策論、生活支援看護学特論、母子看護学特講Ⅰ、母子看護学特講Ⅱ、母子看護学特講Ⅲ、母子看護学演習、母子看護学特別演習、生活支援看護学特別研究
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研究テーマ |
- ・産後早期の子育て支援に関する研究
- ・周産期の課題に関する研究
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主な実績 |
【著書】
- ・坂梨薫(2018):助産師基礎教育テキスト第3巻.成田 伸(編),「周産期における医療の質と安全」2018年版,日本看護協会出版会,東京.
- ・坂梨 薫監修:DVD 産褥経過のアセスメントと支援の実際 VOL.1,VOL.2,VO.L3,VOL.4 医学映像教育センター 2011,東京.
【論文】
- ・前島貴子,坂梨薫(2017):助産師と産科医の協働に向けた検討-産科医が重要視する助産師の能力-,母性衛生,58(2),428‐435.
- ・坂梨薫,水野祥子,棒田明子 他(2016):カナダにおける家族・子育て支援-ファミリーリソースセンターを視察して-,関東学院看護学雑誌,3(1),1-7.
- ・坂梨薫,勝川由美,水野祥子 他(2015):1ヶ月児を持つ母親の精神的健康と育児生活の実態,関東学院大学看護学会誌,2(1),1-7.
- ・坂梨薫,勝川由美,水野祥子 他(2015):韓国の生後1ヶ月児をもつ母親の精神的健康と育児生活の関連-産後ケアセンター利用者の調査から-,日本母性看護学会誌,15(1),p1-9.
- ・坂梨 薫,勝川由美,水野祥子 他(2014):産後退院後の母親が望む支援-4ヶ月未満の乳児を持つ母親の選好から-,関東学院看護学雑誌,1(1),p16-24.
【学会発表】
- ・Kaoru Sakanashi,Yumi Katsukawa, et al(2017):Challenges Associated with Postpartum Care Services in Japan, 31th International Confederation of Midwives, 2017(Toronto).
- ・坂梨薫,勝川由美,水野祥子,他(2015):本邦と韓国の産後ケアセンター利用者の産後1ヶ月の育児生活の比較,第56回日本母性衛生学会総会(示説).
- ・坂梨薫,勝川由美,水野祥子,他(2015):本邦と韓国の産後ケアセンター利用者の産後1ヶ月の精神的健康と育児生活の分析,第56回日本母性衛生学会総会(示説).
- ・Kaoru Sakanashi,Yumi Katsukawa, Shoko Mizuno:Current situation of and issues in perinatal care in Japan(poster),30th ICM Triennial Congress,June 2014(Prague).
- ・坂梨薫,勝川由美,水野祥子,他(2014):産後1ヶ月の母親の育児生活に及ぼす要因,第16回日本母性看護学会学術集会(示説).
【研究助成】
- ・平成28年-平成30年度科学研究費補助金 基盤研究(C)「育児不安トリアージ尺度の開発‐妊娠初期妊婦を対象にした育児不安予備軍の抽出‐」(代表).
- ・平成25年-平成27年度科学研究費補助金 基盤研究(C)「地域子育て支援事業モデルに関する研究-日本型ドロップインセンターの開発」(代表).
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地域貢献
(研修会・講師等)
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- ・家族支援プログラム(ノーバディス・パーフェクト):全6回ファシリテータ(2017.9‐11)
- ・第32回日本助産学会実行委員長
- ・第32回日本助産学会シンポジウム企画・座長:「地域における子育て支援-助産師への期待-」
- ・横須賀市こども育成部保育運営課主催:「子育てママのコミュニケーション応援講座」全4回 ファシリテーター(2016.2-3,9-10)
- ・横須賀市こども育成部保育運営課主催:「横須賀家庭内保育者現認教育研修」講師(2016.10)
- ・The Asia Pacific Regional Conference 2015:Workshop3 「Postpartum Care(今、求められている産後ケア」 演者(2015.7)
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Email |
sakanasi@kanto-gakuin.ac.jp |